スポンサーリンク

靴と私。今も靴を大切に思うのは、ある友人との出会いがあったから

衣類・靴・鞄

前回、靴を磨いたことを書きました。

春に履く靴。晴れやかに履きたいから、靴磨きをしました。

私が一貫して革靴を買い、手入れをしながら何年も履くのはある友人との出会いがあったからでした。

スポンサーリンク

初めての靴屋

高校2年生の時でした。
毎年クラス替えがあった私の高校。
初めて一緒のクラスになったその友達は、出席番号順に並んだ新学期の席で確か斜め前に座っていたと思います。

友達を作るのが上手でない私は、自分から話しかけることはほとんどなくて話しかけられたら答える感じ。

そんな中、なぜだかやたらに話しかけてくる数少ない数名のうちの一人でした。

部活には入っていなくて、いつも放課後はそそくさとバイトへ向かい。
暇があれば本を読んでいました。

そしてある日。
「バイト休みだから、買い物に付き合って!」と言われました。

そこで連れて行かれたのが靴屋さんだったのです。

それまで私が行く靴屋と言えば、近所の量販店的な靴屋ばかり。
でも、その日は、私が行ったことのないちゃんとした靴屋さんでした。

お店へ入ると、つーんと革の臭いがして、どの靴も普段私が買う靴の値段とは大違いの金額でした。

「高いけど、手入れをして何年も履くの。むしろ安上がりになるよ。」

彼女が履いていたローファーは中学生の時から履いているものでした。

「革靴は自分の足に馴染んで自分の足の形になるから、履きやすいんだよ」

私はその日初めて、リーガルと言う靴のブランドを知りました。

こだわりのある変な人

彼女は靴のほかにも、鞄や小物も革の持ち物が多い人でした。

母親から譲ってもらったというバーバリーの鞄を大切にしていました。

特別たくさんのファッションアイテムを持つわけではなく、その時一番の流行のものを身に着けるわけでもなく、価格やブランドに捕らわれずによく選んで自分が気に入ったものを丁寧に使う人でした。

私はそんな雰囲気がとても気に入って、靴や鞄のこと、その手入れの方法もたくさん教わりました。
彼女の母親がそういう人で、小さい頃からそう育って来たようです。

と言うと、お嬢様とかしっとりと物静かな人のように感じますが、実はそうではなくて。

「私、明日、風邪だから!!」

と宣言したかと思うと、学校をさぼって好きなバンドのコンサートに行ってしまったり。

「あぁ、いい匂い」

と、店頭で革製品の匂いを何度も嗅いだり。

「これも国語の勉強だから」

と、国語の時間のほとんどを教科書に挟んだ小説を読んで過ごしたり。

何でも気になると触るので、お店のディスプレイやオブジェを壊す。
本音をぽろっと言い過ぎて時々空気が固まるけれど、憎めない感じ。

こだわりのある、変な人でした。

あれから今も、革靴を買う

初めて靴屋へ行った日から、私も週に1度アルバイトを始めました。

そして、リーガルのローファーを買いました。
学校へ履いて行くようなデザインではなくて、ワインレッドのストラップが付いた靴。
もう持っていないけれど、どんな靴だったかはちゃんと覚えています。

それからゆっくりと靴を買い足し、友達と店員さんに教わりながらお手入れグッズも増え、今に至ります。

同時に、鞄も革の物を買うようになりました。

気に入った、いいものを、大切に使う。

それを教えてくれた彼女は、町を出て遠くで暮らしています。
今でも年に1~2回、一緒に食事をしてお酒を少々。

待ち合わせは、外ではなく必ずコーヒーなどが飲める場所にします。
恐らく彼女は約束の時間よりもかなり早く来ているはずで、その時間を読書に充てています。

彼女の手入れされた鞄には、買うには追い付かない読書量を補うための図書館で借りた本が入っています。

それを知っているので、待ち合わせには慌てずにのんびりと向かいます。

今の私が、靴や鞄だけでなく、気に入ったものを大切に持つという気持ちを持とうと思えるのは彼女のおかげだと思います。

そして、愛用の鞄を娘に渡せるような母親になれたらな、とも思います。

ありがとう、これからもよろしく。

また、きちんと磨いた靴で会いに行こうと、靴を磨きながら思ったのでした。

コメント